テーマ

光の可能態

私たちが普段「光」と呼んでいるものを、できる限り分解して考えてみると、そこには様々な可能性のかたち(可能態)が潜んでいます。たとえば温かさ。これはとても波長の長い光の一様態で、「遠赤外線」と呼ばれたりします。黒く塗った箱と白く塗った箱に太陽の光が当たると、ふたつの箱の温度に違いが生じることは、皆さんよくご存じでしょう。たとえば日焼け止めクリーム。これはミクロの構造物を肌に塗ることで、視覚的には塗ったことが分からないまま、紫外線というとても波長の短い光だけを選び出して反射させる技術に裏打ちされた製品です。
暗闇の中に差し込む光。これこそが建築の始まりであるかもしれない。深い森の中にある複雑な木漏れ日の状態や、緯度の高い北欧の村の教会の内部に導かれた水平光がつくる透明な空間など、深く考察していくと、人間が認識する空間、建築、環境というものは、つまりは特別な光の状態にある、全て「光の可能態」のデザインと言うことができるのかもしれません。あなたなりの視点で「光の可能態」を再発見し、その発見を働きに変えることで導き出される、新しい魅力的な環境をデザインすること。これがこのコンペで皆さんに期待することです。

課題

テーマに沿った提案をするための場所を一つ選び、建築化してください。表現は自由です。

審査員

  • 審査員長
    森田真生

    独立研究者

  • 審査員
    藤原徹平

    建築家/フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰

  • 中山英之

    建築家/中山英之建築設計事務所代表

賞金

アジア学生サミット(中国 上海)での最優秀賞(1名)
・賞金 10,000 USドル
・ハーバード大学での6週間のサマースクールへの招待(旅費滞在費を含む)
日本地区での最優秀賞(1名)
・賞金 30万円
・アジア学生サミット(中国 上海)への招待(旅費滞在費含む)
・日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待
日本地区インテリア部門優秀賞(2名)
・賞金 各5万円
・日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待
日本地区建築・ランドスケープ部門優秀賞(2名)
・賞金 各5万円
・日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待

スケジュール

  • 登録締切=2020年11月12日[木]
  • 提出期限=2020年11月18日[水]

審査基準

  • ・テーマに沿った提案があるか
  • ・具体的な場所や環境への提案を含んでいるか
  • ・場所の潜在的可能性をひきだせているか
  • ・社会の本質的課題にアプローチできているか
  • ・未来へのチャレンジがあるか